書籍_それでもなぜトランプは支持されるのか アメリカ地殻変動の思想史_会田弘継
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トランプは病因ではない、病状なのだ。原因ではない、結果なのだ、というのはアメリカを観察する者にとっては、今ではほぼ常識となっているはずだ。少なくともアメリカの学識者の間では共通認識であろう。ところが、どうも日本ではそのことがよく理解されていない。――序論より 本書のための書き下ろし序文が著者の問題意識をクリアにまとめてくれている
あとの論考は各所に発表したもののまとめ、ということなので、章の構造をよく頭に入れることでよく理解できた
第一部、第二部は、学術論文に近い内容なので読み物としてはそう容易ではない
各所への寄稿をまとめているので、本として見ると重複記載もあるが、重要なことがなん度も読めるので良し
第一部は、トランピズムの思想的源流。トランプ個人の研究ではなく、トランピズムとして捉える、というスタンスが明快で腑に落ちた。グローバリズムを先導するエリートに対する、民衆の抵抗運動。これが保守派にある、というのがアメリカの面白さ。
とにかく、一番持つべき認識は、アメリカのとんでもない格差社会化。封建社会になっている、指摘する論者もいるようだ。上位3名が、50%の富を得ている。この傾向はオバマ時代の民主党政権で広がった。オバマの民主党は、ハイテク・金融エリートと結託して企業型の政党に変質した。日本ではなんとなく、金持ち・資本家向けと思われている共和党の方が、高卒など大衆を味方につけている。
キャンセルカルチャーの暴走。言論の自由を脅かすほどの正義の暴走。NYTをありがたがる日本の知識人古い。
アメリカのキリスト教は非常に強い思想的・政治的な力があり、過小評価すべきものではない。
Awakening と Woke に言葉としての関連があるとは知らなかった。
2024/8/18